叫びの壺 ~ 翻訳語考。移民は集合的な現象か?
「immigrant」は移民と訳すと思いますが、「migrant」は移民とは訳さないでむしろ「移住者」だと思います。日本国内で言うと季節労働者のイメージです。「im-」にある、「元居た場所へ帰らない」という点に違いがあると思います。ただし、原発事故で元居た場所に住めなくなった人も、国家によって強制移住させられたアイヌ人も移民とは言わない気がするので難しいところです。「移民/難民」に「国境を越えて」というニュアンスが込められている気がします。
「~民」「~人」が十把一絡げなイメージなのは、逆に個人を特定できていない段階での発言としてで十把一絡げで言うしかないからではないでしょうか。
またこれは日本人特有の態度ではなく、他国でも同じではないかと思います。隣に継続的に住んで普段から付き合いのある、異国出身者のことは~~さんであって(表立って)移民とは言わないものの、先週1ブロック先に越してきて挨拶もしてない(夜に慣れない騒音なんかがあったりして)、見た目が自分と異なる人には「どこの移民?」と言うかもしれません。もちろんそこには蔑視の視点が含まれます。相手の事情を知らず、フラットに視ることができないためです。